第40回日本脳科学会

第40回日本脳科学会の『日程表』は、こちらをご覧ください。(PDF)
第40回日本脳科学会の『参加申し込み』は、こちらをご覧ください。(PDF)
参加者様向けの宿泊案内は、こちらをご覧ください。(PDF)
大会ポスターはこちらからご覧いただけます。(PDF)
第40回日本脳科学会の『演題募集』は受付を終了いたしました。

第40回日本脳科学会

会期 平成25年9月28日(土)、29日(日)
会場 アクトシティ浜松 コングレスセンター
〒430-7790
静岡県浜松市中区板屋町111-1
大会長 浜松医科大学
精神医学講座  教授 森 則夫


 


第40回
日本脳科学会 大会長
森 則夫

浜松へようこそ

 第40回日本脳科学会を開催するにあたりご挨拶を申し上げます。
 脳科学の進歩は著しく、日々新たな発見が報告されています。特に、細胞レベルや遺伝子レベルの研究が飛躍的発展をとげました。これにより、脳や神経の理解が大いに進みました。そして、新しい発見は新たな疑問を次々と生みだし、脳科学領域の研究はいよいよ盛んになっています。
 さて人類の歴史をみると、人類は常に病と闘い、あるときは衰亡の危機に瀕したこともありました。ギリシャやローマの滅亡の遠因には度重なる疫病の流行があったことはよく知られた歴史的事実です。たとえば、ギリシャはスパルタに包囲されたとき、いわゆる「アテナイの疫病」によりアテネ市民の多くが病に倒れ、軍隊の組織そのものが困難になりました。中世ヨーロッパの黒死病 (ペスト) も有名です。黒死病によりヨーロッパは人口の1/4を失い、このため農奴制を維持できなくなり、やがて中世は終わりルネサンスを迎えました。ルネサンス時代は梅毒が人々の脅威となりました。このように、ルネサンスまでは病が人類を脅かしてきました。しかし、産業革命以降、文明が病を生み、翻って、この病が人類を脅かすようになりました。産業革命に伴う劣悪な環境によって大流行した結核がそうです。こころの病がそうです。
 現在、感染症が人類の存在を脅かす危険性は限りなく小さくなりました。しかし、文明の発展は必然的にこころを侵し、今や、こころの病はパンデミー到来の様相を示し始めています。このようなことから、こころの病は遠からず文明の停滞や衰退をまねくことが危惧されます。したがって、今後は、発展する脳科学をいかにしてこころの病の解明や克服に応用するかが課題になってくると思われます。その兆候は間接的ながらインパクト・ファクターに現れています。今、精神医学関連のジャーナルのインパクト・ファクターは年々上昇し、バブル状態にあります。おそらく、この傾向は今後も続きます。文明の進歩がストレス要因を生み、こころに傷を負わせることは疑いようがないからです。
 このような歴史認識に立ち、また、第40回日本脳科学会を主催するのが浜松医大精神医学講座であることから、このたびの学会では、こころの病の解明がどこまで進み、その克服にどれほどの時間を要するのかを考えてみたいと思います。そして、おそらくは世界でもっとも激しい競争社会である中国から研究者をお招きして中国の状況をうかがいたいと考えています。おひとりは、かつて浜松医大で学び、現在は重慶医科大の副学長を務め、中国の国家事業を率いている謝教授です。もうおひとかたは生理学者でありながら、中国に精神療法を根づかせ、こころの病の防波堤たらんとする天津医科大学の金教授です。金教授は日本脳科学会の理事であり、日本脳科学会の機関誌 Journal of Brain Science のEditorです。
 浜松には出世城といわれる浜松城があります。楽器と音楽の町でもあります。浜松で食するうなぎは格別です。浜名湖周辺を散策するのもよいと思います。
 それでは、浜松で皆さまをお待ちしております。

平成25年2月吉日
第40回日本脳科学会会長
日本脳科学会理事長
浜松医科大学精神医学講座教授
森 則夫