理事長挨拶 President

 私は令和5年12月2日大阪で開催されました第50回日本脳科学会理事会にて、伊豫雅臣前理事長の後任として令和6年度より本学会の理事長を拝命致しました。本学会とのご縁は、森則夫元理事長のご推薦を得て平成18年に入会したときに始まり、平成26年には第41回大会を福井で開催させていただいております。

 日本脳科学会は、GABA・GABOBおよびその関連物質研究会(昭和34~48年)と日本条件反射学会(昭和34~48年)を母体とした脳研究会(昭和49~平成6年)を前身としており、以来30年にわたって脳科学に関する学術活動を展開した伝統ある学会です。本学会では、多分野の研究者が若手/中堅/ベテランの別なく一同に集い、脳科学について語り合うスタイルを続けてまいりました。そして、有望な若手研究者の発表には奨励賞を授与し、学会での報告を促してきました。

 脳の機能と構造を明らかにする「脳科学」が今日の社会にあって重要であることは、もはや論ずるまでもありません。我が国においても多くの脳科学関連学会があり、日本脳科学関連学会連合が組織されています。この連合の中にあって本学会の特色は、独自の学際領域開拓と若手研究者の育成・支援にあると思います。社会に貢献するイノベーションの確立には異分野の融合と若い力が必要です。

 私はこのたびの就任にあたり、今後もこのスタイルを踏襲しつつ、情熱を持って研究の道を選ぶ若者が大きく成長するまで、自由に脳科学研究に取り組めるよう環境を整備し、研究活動に必要な情報を共有できる場を提供することを誓います。

 脳科学を志向する研究者の皆さん。ぜひ本学会へいらして下さい。そして日本脳科学会へ益々のご理解・ご協力を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。

令和6年4月吉日
福井大学子どものこころの発達研究センター・教授
日本脳科学会 理事長
松﨑 秀夫